台所まわり、酒まわり「食の履歴書」|徒歩漫筆【15通目】

酒飲み前夜の好き嫌い
kei 2024.03.09
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今でこそ頼まれもしないのにSNSに食卓や外食の様子をアップしているが、私が食に興味を持ち始めたのは、日本酒を飲むようになってから、つまり三十代に入ってからだ。

日本酒に合う肴のことを考えるようになったおかげで、そして日本酒が幅広く肴を受け止めてくれるおかげで、色々な料理を作るようになり、そのままあらゆる食への興味が広がった。それでも今も料理好きというよりは、酒好きが酒を最大限に楽しむために必要な過程として台所に立っているという感覚が近い。

若い頃、よく食べて健康的に丸くなった時期もあったが、基本的には子どもの頃から今に至るまで食が細い。そのことも、食への関心が薄かったことと関係していると思う。

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