台所まわり、酒まわり「酒と私の境界線」|徒歩漫筆【44通目】
酒器のたのしみ
kei
2025.06.18
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本当は、夫婦ふたり分のおかずが載る大皿や副菜のための小鉢を新調した方がいいのに、つい酒器を買ってしまう。
台所に酒のための器を増やすたび、ああまたやってしまったと思う。酒飲みは私ひとりなのに。
我が家では現在、7つの器を定番の酒器として活躍させている。
本当はこの倍以上あるのだが、繰り返し使うものはだいたい7つに落ち着いた。
わかりやすく「お猪口」や「ぐい呑み」とよべるものは少なく、茶器として売られているものやデザートカップと名付けられたものも、我が家ではすべて酒器として働いてもらっている。
田中小実昌の「ワインに茶碗蒸し」というエッセイの中に、こんな一節がある。