三十代の白髪染め|徒歩漫筆【49通目】

装いの試行錯誤
kei/本棚と余談 2025.09.29
サポートメンバー限定

人生で初めてヘアカラーをした。白髪染めだ。

現在39歳(まもなく40歳)。数年前から白髪がちらほら出てきたのだが、この半年ほどでぐっと増え、いよいよ開き直るには微妙な見た目になってきた。

私は毛という毛がしっかりしていて、元々頭髪も真っ黒だ。そして、かつてパーマをかけたときは一晩でほぼ元に戻り、誰も変化に気づけなかったほどの直毛だ。黒くてまっすぐな毛がびっしり生えているところに、一本すーっと白い毛が走ると、妙に目立つ。

担当の美容師さんには「それでもまだ白髪は全体の5%くらい」と言われたものの、床に落ちた抜け毛にまで白いものが混ざりはじめ、見ないふりで乗り切るにはちょっと気になる段階まで来ていた。

私の都市生活における装いの方針は、「動きやすく、メンテしやすく、簡素に」なので、継続したメンテナンスが必要になるヘアカラーは、ずっと選択肢から外していた。

服も気兼ねなく洗える綿かアウトドアブランドのものが中心で、いつも同じような格好をしている。

メイクも落とすのが面倒でかなり薄くしているので、「すっぴんですか……?」と聞かれることもあるが、それは朝に施したはずの化粧がほとんど落ちてしまっているだけで、一応、日焼け止めとファンデーションとアイブロウだけは気にかけている。

「動きやすく、メンテしやすく、簡素に」という方針は、慌ただしい生活や面倒くさがりな性格によって導かれたものだが、それ以前におそらく私には、自分自身の装飾に対する禁忌感情がある。

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、2300文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら