ある土曜日(晩秋)|徒歩漫筆【52通目】
11月XX日(土)晴れ
7時起床。窓から見える木の葉もだいぶ落ちてきた。枝の隙間から向こう側が見える。
香港の火災について、政府や施工業者の問題にまで踏み込んだある投稿をインスタでシェアしたら、香港人の相互フォローのひとから「Thank you for sharing this」とメッセージが届いた。今のところ日本では、竹の足場だけを問題視した報道が多く、そのことに本当に心を痛めているようだ。単純で思考力が弱い日本の報道をすまなく思う。
フォトグラファーの人たちが撮った火災後の現場の様子を見ると、多くの市民が集まって、さまざまな支援をしている。私が初めて香港のエネルギーを自分の内側にまっすぐ感じたのは、2019年の空港で黒い服のデモ隊を見たときだった。今回の支援行動のスピード感に、あのときと同じものを感じる。
「The government is dead. People are still the people.」とポストしている人がいた。目の前の人には即座に手を差し伸べて、同時に政府批判もする。これが市民の在り方だと思う。
報道を見ているだけの状況はもどかしいけれど、今は現場で力を寄せている人たちに思いを委ね、海外からの支援先が交通整理されたら募金しようと思う。
なんだか過剰にSNSに齧りついてしまい、朝は片手間にパスコの塩パン(明太ポテト)とコーヒーのみ。
食後にDuolingoでドイツ語。ドイツ語の勉強を始めたときは、スペイン語より難しく感じてどうしたものかと思ったが、だいぶ慣れた。多和田葉子のドイツ語にまつわるエッセイをもっと面白く読みたくて、勉強を始めた。
家の掃除を済ませて、バスで古本屋Rへ。夏の間は暑すぎてふらふら出歩くことすらままならないことを思うと、この季節は大した予定がなくても外に出た方がいい気がする。災害のような季節が長くなり、外に出られること自体がとても尊いことのように思える。